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史実における戦艦
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各国艦船の特徴
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史実における艦船
 
各国戦艦の特徴
○史実上における各国艦船の特徴をご案内致します。
アメリカ イギリス 日本 ドイツ
アメリカ
世界最高水準の海軍力を誇っていたアメリカは、第二次世界大戦前後に名実共に太平洋の王者として
君臨しました。第二次世界大戦開戦初期には、真珠湾攻撃によって日本から手痛い打撃を受けましたが、
強力な経済力を利用した大量生産と多くの物量投下で、ミッドウェイ海戦において決定打を決めるなど、
最終的には日本を窮地に追い込み戦争終結へと進めました。
精神面においても真珠湾の勝利に慢心気味だった日本と違い、レーダーを始めとした新技術を
積極的に活用する海洋戦略上の思想と粘り強い底力の発揮は実に凄いものでした。
一例として、真珠湾攻撃により数ヶ月の補修に入る事となった戦艦をわずか3日で補修を完了した話は
アメリカの精神力を語る上で外せないものとなっています。
アメリカの艦は特別な特徴の無い基本的な艦一色で、各戦艦は特有の厚い装甲で覆われ、
シルエットはタワーが長く突き出している型をしており、艦橋は低い位置に配置されています。
全体的に構造物は艦の中央に集中しているために艦末甲板が広く、艦載機の整備と設置が容易です。
また、「巨艦・巨砲主義」思想にあわせて超大型艦を数多く作った日本と比べ、アメリカの艦は幅が
33mで制限されていました。これは米海軍の作戦範囲が日本よりも広く、太平洋と大西洋全てだった為、
パナマ運河を円滑に通過できるようにしていた為だと言われています。注目すべき点は、
大戦末期に作られた艦に新技術のFCS(Fire Control System:射撃統制装置)を搭載。
恐ろしい正確さと威力を誇る砲撃術を身に付けたことです。
代表的な艦船として、世界最強の戦艦である大和級に次ぐ攻撃力を誇り、日本から降伏のサインを
受け取った戦艦ミズーリ、戦艦サウスダコタ。元は戦闘巡洋艦で、航空母艦に改修されるも結局は
犠牲となり、珊瑚礁海戦を勝利に導いたレキシントン。ミッドウェイ海戦の主役航空母艦ホーネット。
それに映画『プライベート・ライアン』の題材となったサリヴァン条約を称えるための駆逐艦、
ザ・サリヴァンズなどがあります。
写真左:巨艦・巨砲主義の象徴であるアイオワ級16インチ艦砲が火を噴きます。
写真右:ミッドウェイ海戦の主役となった航空母艦ホーネットの進水直前の姿。
 
アメリカ

イギリス
イギリスは、過去に強力な艦隊で全世界を指揮した海軍強国でしたが、第一次世界大戦前後にその立場を
失ってしまいました。戦争の勝利に陶酔していたこともあり、第一次世界大戦後、世界各地の植民地で
起こった民族運動を収めるだけでも手が足りず、ついにドイツが第二次世界大戦に突入した初期には
既にお手上げ状態となっていました。結局、アメリカに世界第一の海軍強国の座を受け渡すことになりますが、
第二次世界大戦での魚雷最長距離命中記録や、秀逸な潜水艦対潜水艦の水中撃沈記録など、
大英帝国として世界トップクラスの底力を見せました。
イギリス艦の特徴は、艦橋の装甲が比較的薄く、船体側面の装甲が厚いという事です。艦橋の高さは低く、
艦中央部分の艦載機の格納空間と高く突き出ている二つのマストもイギリス軍艦だけに見られる特徴です。
武装の面で見ると艦の砲門数が多く、口径が小さい事も特徴の一つです。また、レーダーという新技術を
始めに導入し、戦術における一代革新を成しました。
イギリスの航空母艦は、世界でも前例の無い「装甲甲板」というものを持っていました。
これは、アメリカと日本の航空母艦のように艦載機の滑走路である甲板が木で出来ているのではなく、
厚い装甲で覆う事により防御力の極大化を図ったものです。それは、イギリス航空母艦の主作戦海域が
地中海、北海といった敵航空兵力の脅威が深刻な地域だった事が由来しているようです。
この装甲甲板の防御力は絶大で、太平洋戦争時に恐れられていた日本軍の神風特攻を受けても
軽微な損傷に過ぎず、ものの3時間程で修理を完了させることが可能でした。現代航空母艦の標準的な
形式になった装甲甲板は、イギリス海軍によって既に第二次世界大戦の時に形を成していました。
しかしこの「鎧」にも致命的な短所がありました。それは、同等の排水量を持つアメリカや日本の
航空母艦と比較して、搭載機の数が半分程度しか積むことが出来なかった事です。
イギリス海軍の代表的な艦船としては、イギリスの自尊心といわれるキング・ジョージV。戦闘巡洋艦級で、
排水量が45,000tに至ったフッド。イギリスの仇敵であったビスマルク撃沈の際に大きな活躍をした戦艦ロドニー。
航空母艦ビクトリアスなどがあります。特にキング・ジョージV級の艦船は、当時のイギリスの最高技術が
集約された産物で、どんな攻撃でも沈没しない「不沈艦」といって自尊心も凄かったのですが、同型艦の
プリンスオブウェールズが2時間5分余りの死闘の末に日本海軍航空隊に撃沈され、イギリス海軍は
衝撃に包まれることになります。
写真右:イギリス艦隊の自尊心とも言えるキング・ジョージV。
      結果としてビスマルクを沈没させ、フッドの復讐を果たしました。
写真左:航空母艦ビクトリアスの装甲甲板から離陸する艦載機。
      日本軍の中でイギリス艦の装甲甲板は堅いという事で有名でした。
 
イギリス

日本
島国という特性の為に海軍力に偏重した開発力を投入した国である日本は、艦船の一つ一つが連合軍
のものと比べても余り遅れをとっていなかったことと、航空母艦の集団運用による作戦を最初に試すなど、
ミッドウェイ海戦直前までは太平洋で一番強い海軍として君臨しました。しかし、軍首脳部が勝利の慢心と
傲慢に偏り、進歩の無い旧式戦略・戦術に固執し、アメリカを一手下に評価して無謀な大海戦を行うなど、
結局は大ピンチに追い込まれる事になります。それに加え、世界で最も分業化、規格化の進んでいた
アメリカの大量生産システムに比べて日本の工業生産システムはあまりに貧弱なものだった為、
戦争が長期化すればするほどアメリカとの生産力の差が目立ちました。
こんな貧弱な経済力だった国でしたが、海軍に対してはとてつもない量の投資を行い、全体的に大型化された
艦級が多く見られ、多口径砲を好み、容積も非常に大きなものとなっていました。デザイン的にも初期は
アメリカのものを多く模倣して製作した跡がありますが、次第に大和級などに見られる高く突き出す艦橋と、
一つしかない煙突などの独自的なデザインで艦を建造しました。
ドイツと同じように優れた光学技術を持っていましたが、レーダーなどの新技術の受け入れに関しては
消極的で、あまりに「巨艦・巨砲主義」に捕らわれた「戦艦を主とした戦術」のみに固執し、結局は
米連合軍の「航空母艦を主とした戦術」に押されて敗路を辿る事となりました。
18.1インチの巨砲と60,000tを軽く超える日本軍国主義の象徴である戦艦大和と武蔵。航空母艦に
改修になるなど、様々な出来事がありながらも4発の魚雷で崩れ去った大和級の3番艦信濃。
真珠湾攻撃の先手となった大型航空母艦赤城と蒼龍。日本最後の海上作戦「天1号作戦」で
大和と共に奮戦した軽巡洋艦矢矧などが日本海軍の有名な艦船です。
写真:日本軍国主義の象徴ともなった戦艦大和の巨大な威容。
 
日本

ドイツ
第二次世界大戦開戦時のドイツ海軍は、一言で表すと「全然整備されていない軍隊」でした。
理由は間違いなくベルサイユ条約で、大きな軍艦はヒトラーが一方的条約破棄を宣言するまでは
建造できなかったのです。中部ヨーロッパの内陸国で元々海軍力が弱かったドイツは、イギリス海軍と
対峙できる強い艦隊を構築する為に「Z計画」を早くから進めますが、実際に信じられていた
最後の希望はU-ボートで代表される「Unterboot」、すなわちカール・デーニッツ提督の潜水艦隊と
装甲艦「Panzerschiffe」でした。「無差別撃沈」と「ゲリラ戦術」で圧縮されるドイツ海軍の戦略は、
開戦初期に数的な劣勢をよく乗り切り、連合軍の頭を悩ませて多くの戦果を上げました。
ドイツ軍艦の特徴は、優れた精錬技術を通じての強力な装甲で、武装の防御を重視して砲台を中心に
厚い装甲で囲われているのが連合軍側との区別とできる独特な要素です。艦橋と砲台が一番厚い装甲で
保護されており、艦のシルエットは艦船の中央部分に主要施設物を配置して、その周りを重装甲で
保護する形態になっています。また世界最高の光学技術を保有しており、光学式照準鏡を利用した
近・中距離砲撃では恐ろしいまでの正確さが威力を発揮しました。しかし、レーダー装備による
遠距離での精度は落ちてしまい、遠距離砲撃においては連合軍の艦隊に対してかなり性能が
落ちてしまうのが短所となっています。
通常で砲門数が少ない艦砲を好み、破壊力もそうですが何よりも砲の連射力に重点を置いた設計をしました。
また、偵察用艦載機は艦砲の上の簡易設置台に設置されましたが、これは砲撃戦を始めると艦砲の発射時
の衝撃によって艦載機が飛んでしまうという欠点がありました。この欠点に備えて艦載機を中央に設置しましたが、
そうなると艦の中央部分の防御力を弱体化させる結果となり、致命的な弱点を露出させることとなりました。
ドイツ海軍の代表的な艦船としては、イギリス海軍最大の巡洋艦フッドをものの3分で真っ二つにして
沈めてしまったドイツのシンボルであるビスマルクとその同級艦であるティルピッツ。連合軍の戦闘巡洋艦
にあたるシャルンホルスト級のシャルンホルストとグナイゼナウ。戦争初期に、南大西洋の恐怖として
浮かび上がった装甲艦アドミラル・グラーフ・シュペーなどがあります。
写真上:イギリスのフッドに向かって砲撃する戦艦ビスマルク。
写真下:装甲艦アドミラル・グラーフ・シュペーのイラスト。
      各所に見られる濃灰色と白色の部分は北海艦隊特有の偽装色です。
 
ドイツ
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